11/25 ZOOM アスベスト学習会(広商連共済会)
25日広商連共済会主催の「ZOOMアスベスト学習会」が開催され、県内10民商・77名が参加しました。
広島県連と講師がおられる大商連共済会と県内民商をインターネットで繋ぎ、講演を聴き、質疑応答を行うという初の試みでした。庄原民商でもプロジェクターとスクリーンを用意、パソコンと繋ぎセッティング。参加者は「ほぉ~こがぁんことが出来るんか」「わしらぁも映っとるんじゃの」「喋っても大丈夫か?」等々言いながら開始時間を待ちました。
広商連共済会・平野理事長は主催者挨拶で「コロナ禍だからこそ、運動を緩められない。建設業や造船業でアスベスト被害への認識が随分進んでいるが、現在も被害者がどんどん増え続けており、さらに今後アスベスト建物の解体作業のピークも迎える。自身を守り仲間を守るためにも、学習を深めましょう」と呼びかけました。
~専門医での受診が重要~
講演①
「相談体制の構築と現在の運動について」大商連共済会・田中会長。
かつて石綿村とも言われた泉南地域を抱える大商連共済会の、会員によるアスベスト被害者の運動の歴史と教訓を話されました。
潜在的な被害者や、曝露履歴の追跡などの必要性を感じ、専門医や弁護団の方々の講演で勉強。
専門医は一般の病院で異常なしの診断を受けた55枚の胸部レントゲンの全てにアスベストを見つけたという事例もあり、アスベストの判断は難しく専門医が少ないことを実感。
曝露歴の証明も含め、この問題は専門家へ相談する事が解決への近道と確信し、専門医や弁護団と強固な協力体制を作り、相談活動に取り組んでいるそうです。
講演②
「民商への相談から制活用まで」小林邦子弁護士。
大阪アスベスト弁護団の15年の取り組みの間にもどんどん被害が広がっている。アスベストは目に見えない物質で、知らない間に吸い込んでいることがあり、潜伏期間が20~40年と長く、病気になった時原因と結果を結びつけるのが難しいので、専門医・専門弁護士がサポートしている。
被害に気づくためには定期的な健康診断が重要。おかしいと思ったら専門医にやレCTントゲンを見てもらう。よくある例は「肺がん」と診断された時、問診で「タバコを吸う」と答えたら、原因はタバコとなる事が多いが、アスベストが原因のことがある。救済制度は労災か救済法のどちらか。
補償の手厚いのは労災。事業主が修業時代の曝露を証明し労災適用になった事例もある。
アスベストは天災ではなく人災。国と企業の責任は重い。行政認定(労災か救済法)を受ければ治療費が無料になるので、まずは行政認定を受けることが大切。
最後に村松弁護士が「建設アスベスト訴訟の現状」を報告されました。
泉南の裁判は国家賠償を勝ち取り、800名が救済されている。現在6つの裁判が最高裁で継続されており、来年春には判決が出る予定。なんとしても勝って、被害者の救済に役立てたいと話されました。
質疑応答では、建設現場で働いた経験のある参加者から続々と質問が出され、関心の高さが窺えました。
庄原の参加者も「参考になった」「来てよかった」と家路につかれました。